POEM 〜優しい時間〜

ひょんなことから始めちゃいました。詩や文を書くのが好き。気まぐれで書いています。気分は晴れ時々雨、そしてくもり。

誰もいない森で

誰もいない森で

あなたは歌う

小鳥に届く

明日のメッセージ

誰もいない森で

あなたは踊る

煌めく星の下で

誰もいない森で

あなたは眠る

白いマントを身にまとって

遠くの場所へ行きたい

あの丘を目指しても

辿り着けないと言うあなたは

誰もいないその森の扉を

そっと開く

午前2時の湖の夢を

開く

夢の旅

どこへ行っても行き止まりで

誰と話しても心は晴れないと

空は歌う

僕を遠くに連れて行ってくれるのは

君だけだと

ささやくそばで

何者にもなれやしないのさと

嘆く

そんなことを言っても

何も始まらないから

目玉焼き

そしてコーヒー

パンを一口かじって

僕は電車に乗って

細い線路をくぐり抜ける

明日のことはまだ知らない

君も誰も知らない旅 

 

もどかしいから

思い出すことで

あなたに会えるなら

それでも良いと

口ずさむあなたのそばで

私は歌う

どんな歌を歌えば

上手く届けられるのだろうと

昨夜から一人考えています

きっと

あなたの横顔を見ていたら

胸の奥の湖に光が降り注いで

晴れ渡る空の下で

一人 舞い上がるのでしょう

だから

この遠い道のりが

この細く見えないこの糸が

届かない距離にいて欲しいのです

その方が

もどかしいでしょうと

雨は歌う

それでもぼくらは愛し合う

声を上げて

口を真っ赤に染めても

まだ足りない

あなたに出会えるこの街で

夜を探している

どんなに

朝の光に照らされても

不思議な夢に包まれても

今もずっと

ここで

あなたを一人で探している

どこまでも続く坂を

追いかけた日のことを

思い出して、ほら

あの日にもう一度あの場所で

ぼくら待ち合わせをしよう

ぼくらは

愛し合うために

ここにいる

 

 

空中ダンス

もう嫌だと言ったあなたを

追いかけて

夕焼けの空の下で飛び回る小鳥に

そっと涙を渡す

渡鳥にもなれやしないと

言ったあなたを

やさしく包むのは風

大地の歌を聞くのは森

ここで一つ

あなたに歌えたら 

与えられたこの思いを

歌に乗せられたら

生きる音

生きる音がこだまして

誰かを追いかけた足音で

目が覚めて

夢をさまよう

手のひらに乗せた炎を見つめて

遠くで声がしたから

思いっきり叫んだ昼下がり

昨夜の夜に似た月の微笑みの下で

今日も君と歌う

あの雲を追いかけて