POEM 〜優しい時間〜

ひょんなことから始めちゃいました。詩や文を書くのが好き。気まぐれで書いています。気分は晴れ時々雨、そしてくもり。

2021-01-01から1年間の記事一覧

あのさ、

あのさ、 全て分かり合えなくていい あのさ、 早くカバンに荷物を詰め込んでしまう前に 君とゆっくり歩きたい あのさ、 昨日見た夢を教えて あのさ、 君と手を繋いだ日のことを忘れない あのさ、 もう戻れない夜についてもう一度話そう その日がさ、 僕らの…

誰もいない森で

誰もいない森で あなたは歌う 小鳥に届く 明日のメッセージ 誰もいない森で あなたは踊る 煌めく星の下で 誰もいない森で あなたは眠る 白いマントを身にまとって 遠くの場所へ行きたい あの丘を目指しても 辿り着けないと言うあなたは 誰もいないその森の扉…

夢の旅

どこへ行っても行き止まりで 誰と話しても心は晴れないと 空は歌う 僕を遠くに連れて行ってくれるのは 君だけだと ささやくそばで 何者にもなれやしないのさと 嘆く そんなことを言っても 何も始まらないから 目玉焼き そしてコーヒー パンを一口かじって 僕…

もどかしいから

思い出すことで あなたに会えるなら それでも良いと 口ずさむあなたのそばで 私は歌う どんな歌を歌えば 上手く届けられるのだろうと 昨夜から一人考えています きっと あなたの横顔を見ていたら 胸の奥の湖に光が降り注いで 晴れ渡る空の下で 一人 舞い上が…

それでもぼくらは愛し合う

声を上げて 口を真っ赤に染めても まだ足りない あなたに出会えるこの街で 夜を探している どんなに 朝の光に照らされても 不思議な夢に包まれても 今もずっと ここで あなたを一人で探している どこまでも続く坂を 追いかけた日のことを 思い出して、ほら …

空中ダンス

もう嫌だと言ったあなたを 追いかけて 夕焼けの空の下で飛び回る小鳥に そっと涙を渡す 渡鳥にもなれやしないと 言ったあなたを やさしく包むのは風 大地の歌を聞くのは森 ここで一つ あなたに歌えたら 与えられたこの思いを 歌に乗せられたら

生きる音

生きる音がこだまして 誰かを追いかけた足音で 目が覚めて 夢をさまよう 手のひらに乗せた炎を見つめて 遠くで声がしたから 思いっきり叫んだ昼下がり 昨夜の夜に似た月の微笑みの下で 今日も君と歌う あの雲を追いかけて

どこまでわかるか

誰かになりたかった 誰かになりたい 今の仮面を剥がして 飛びたいと叫ぶ声 青く光る星は泣く 時も忘れ ただ一人残った部屋で 涙の川へ向かう 飲み干した水が 少しあたたかい

そうではなかったこと

飴玉を飲み込んだ日 喉の奥で 溶けるまで じっと待っていた夜 あなたは隣で言う やさしいと思っていた人が やさしくなかったこと 伝えたいときに 伝えられなかったこと 甘えたいと思ったのに 甘えなかったこと いつもは許してくれる人が 許してくれなかった…

子うさぎ

なんだか違う 似てるのに 違うもの同士 あの場所で会った時と、 この前触れた温度はどこにいくのと 尋ねる子うさぎ 甘えていた時間を舐めるように 宥めるように そっと布団をかけてわたしは眠る あの子うさぎの背中を追いかけても どこに向かうのか分からな…

小舟

大きくなったときに 見たいものは何? 古い思い出 ちいさな夢 それとも昨日の出来事 遠い記憶からずっと繋がっていく 微かな手の温もり あなたにしか分からないもの 誰かに譲れないでそばにある 見せることなく そっと、ただそっとあるだけで 煌めくのだから…

シーツにラベンダーの香り

どんなに遠くに行っても 近くにいる気がするのは あなただから そうつぶやいて去っていった あなたが恋しい ぽつりと溢れた涙の川を 晴れの日に買った傘で渡る ひとりの夜 眠くなるまでそばにいてくれた あの時間をもう一度 紫の夢があなたを包むのを 今夜も…

願うあなた

どこまでもいけると そう願うあなたは 月の果てに消えていく ここまでしか歩けない そう決めたあなたは その分の距離を歩く わたしから見たあなたは 遠い道のりを1人静かに 歩みを止めず 細い道をくぐり抜け 今ここに立っているのだと そう思うのです

ボート

気付いたら遠くにいて 触れる 届きそうと 言っていたあなたが 懐かしく思います あの日から 走り続けた日の夕焼けが いつしかのあなたを追い越して 眠れない夜 漕いだボートを隣におき 艶やかな花を浮かべた 涙のスープを飲み干し 今はもうたどり着いた孤島…

一度も離れなかったよ

一緒になって 一度も離れなかったよ すぐそばにいて 忘れようとしても そばにいようとしたこと 聞いてもらったこと その温もりから 芽を出した日から 歩き出せると 昔のあなたは言うから その道をくぐり抜けて 放つ光の中にいる 置いていかないよ 一緒にいこ…

スパイス

何度も味わって食べたあのご飯に 秘密のスパイス 加えたら美味しくなりそうと あなたは言うけれど あなたの横で 今日もごちそうさまと言えること これが あなたと私のスパイスなのだから

最後まで愛してみようよ

最後まで ぷつんと紐が切れるときまで 繋がったままのあなたが ここにいたことを 一人深い谷で 中に包まれていた夜のことを 最後まで覚えているのは私だから 暗い夢を見た朝も 最後まで あなたがはじめて息を吸う その日まで 愛してみようよ

それから、一歩

繋がっていると そう思えたら 羽を強く持ち上げて 一歩 それから、二歩 息を吸って ほら すぐそこにある これを 自分のものにしたのならば 遠くに消えた光が 誰かのそばにいる 細い細い道を一人旅 その途中で 横にある花を手に取り この花を渡す先へ向かう …

手に届く

坂を自転車で 駆け上る 少年たちの眩しさのおかげで 私はあの空に 手が届きそう 夢に見た空 青さだけが光ではないと 過去にそう伝える ふと呟くと 気付いたらこんなところにいた ああ もう届いているんだ 目を開けると じりじりと太陽は声を上げる 私は夏を…

溶ける時間

殻が張り付いて飛ぶには早い朝 羽が生えた夢を追って 周りに溢れたこの水と小さな手を握りしめて すべてを入れて溶かす 18と23の数を数えて 君の名前をいれて 全部溶かす その間君はどこで待っているんだい

甘くもないし苦くもない

ほんのりと香る風に身を委ねて 気付けば遠い橋を超えていた ここにいる私を誰かが追い越して 隣の街のあの人もみんな隣を駆け抜けて行った 細くて震える手だけが背中をさすった 夢でも見ていたのか 遠い日の本にそう書いてあったのか 甘いものも苦いものも …

不安なことなど

不安なことなど何もないと 泣きながらここに帰ってくる あなたのその背中を見ていると 私の方がなぜか泣いてしまうのです 不安なことなど消え去ってしまったと そこら中に散りばめられた花の色を 見つめる度に あなたに祈りを捧げたくなるのです 夜と夜の間…

誰のものでもない

誰のものでもない道を 霞んで見えないこの道を ただひたすらに もがいてる 見えない星に包まれて ふっと息をかけたみた 悲しいほどの きらめきが 後から にじんで見えました 揺れる夜にまた一人 今夜もここで 星に会う

みんな忘れたころ

誰が決めるものでもなく ただそういうものだと そっと息を吸う いいんだよ ここで ここで 息を吸って 見上げるものに たどっていく 今日は どこまでも 鮮やかになれそうな朝 すっと背を伸ばしたら 飛んでいきそうな春に 手をかざして ふくらんだ服 みんなは…

猫になっていく

奥にある剥がれそうで剥がれない傷を 擦るほどに 涙が遠ざかっていく 晴れる空に変わるまで 光の色を追いかけていく ゆらゆらと揺れる花を見た日に似ている 午後の隙間で 夢をもう一度見ようと 窓辺で猫になっていく

花を手に取った今

月に願うあなたの姿を見て あなたとの朝を迎えることを願うわたし その横で どんな歌を歌っても どんな風が吹いても 時は誰にも知らせてくれないけれど いつか そのまたいつか 夢の奥で あなたとわたしが風がそよぐ丘で踊れること 願っています 花を手に取っ…

ひみつ

胸から込み上げた痛みを そっとなぞって また眠る ここで寝息を立てたこと 誰も知らない街を一人で歩いたこと 秘密の上に秘密を重ねる ふっと息を吹きかけたら 壊れそうな儚さを 抱きながら ここで眠る どこまでも眠る 夢を見ないうちに あなたと眠る

どこまでも行ける雲の上に乗って今日も行く 遠く遠く 近くには何もない ふわりと浮かぶその背中を 誰かが支える 遠く遠く 近くには誰もいない 細目で見ると 微かな光 遠くに見える 無数の光 人差し指ですくったら 誰かに怒られそうで それでもひとり、触れた…

泳ぐ歌

ほんの少しの声と ほんの少しのざわめきの中で あなたは泳ぎ 気がつけば上を向いて息を吸っている 歩く音が怖くて二、三歩立ち止まる夜に 光の粒が溢れて 拾う頃には明日の夢を見ている もう晴れたら もうこの手を離したら 向こうの丘であなたと会える 震え…

誰かへ

ここにいたい 泣いても ここなら すべて飲み込んでくれるから ここで 息を吸いたい 大きな声で 呼んでも聞こえないから 胸の奥で今日も あなたの名を呼びます