POEM 〜優しい時間〜

ひょんなことから始めちゃいました。詩や文を書くのが好き。気まぐれで書いています。気分は晴れ時々雨、そしてくもり。

2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

夜を越えて

見知らぬ土地で 誰かと景色を眺め 意識を遠くに感じ 今夜もここで一眠り 震えた手に 鮮やかな花を持って あなたに捧げたい 渡せなかった花束を 胸にいっぱい詰め込んで 渡したい 今夜も本の栞、開きました あなたの影を追っていくうちに 胸の中にいるようで…

細道

誰もいなかった 振り向けば誰もいなかった 暗い夜道を駆け抜ける瞬間だけ 息を吸って 胸が熱くなった 震えた足元が 明日の夜明けを待っているようだった 夏の日差しを浴びた野良猫の泣き声で 目が覚めた朝 その日が来るまで僕は眠る この川を渡って今、眠る

あのとき

これがいいかな あの日がいいかな 選べないから 戻れないから 二つがいいかな でもそれでもやっぱり 一つがいいかな 街角で二人は お迎えを待っているかな それでもいいかな

長い雨が降った後に

傘を忘れました あの夜に君と渡った橋の下で買った傘を 長くなった夜に 手を差し伸べた傘に 精一杯の涙を浮かべ その重さや匂いに 身を委ね あなたは地球の夢を見るのです 傘に乗ってぐるりと一回転、2回転 そして二人の長い夜が訪れて 風が吹いて来たときに…

さよならノート

一冊買ってきました さよならノート あなたの胸の中へ 飛び込むためのさよならノート 握り締めた手のひらを開いて閉じる さよならノート 今夜もどうぞごゆっくり ペンを取って 迎えにきた日のこと 綴ろうか 追いかけた日のこと 話そうか 闇に落ちた鳥の鳴き…

手と手を

いなくなったあなたを 思い出して恋焦がれた午後8時 何度も舐めた飴玉の味が薄れてく 見つめていた日陰の色が無くなって さらさらと時間が隣を通る 今もいるのかなと あなたに聞けば いるよと一声 さよならなんてしなくても そばにいるのにね そんな声を聞き…