POEM 〜優しい時間〜

ひょんなことから始めちゃいました。詩や文を書くのが好き。気まぐれで書いています。気分は晴れ時々雨、そしてくもり。

2018-01-01から1年間の記事一覧

白い息

眠れないから旅に出た 会えなくなる前に あなたの夢をみにいくの あなたはいつも足跡を残して 知らない街へ出かけていく 地図なんて持っていないのでしょう でもね 前に 私たち 寒々とした道を歩いて 二人で旅をしたわ 峠を越えて 白い息がひとつふたつと そ…

星ぼし

手先が かじかんだある日の夜 甘くて美味しい実を摘んで 暖炉の側で煮て食べた すぅっと わたしは眠くなって あの日に戻った 涙に濡れた 古い本に ちいさな ちいさな 字が綴られていた そのページを わたしはめくる めくるたびに 針の音が月に響いて 星座が…

−5

ほんとうのわたしはだれも知らないのなら 貴方が知るすべはないのでしょう 微笑みながら明日を迎える花は 一輪もないのでしょう 凍えてしまいそうな貴方のこころに わたしが迷い込んで溶かしても 触れ合う時間には ならないのでしょう

それがどうして

それがどうしてそうなるか 分からないことばかりで 寝る前のたった1秒前でさえも 考えてしまうのです 忘れたい時間が多すぎるから でも 涙が溢れて消え去ってしまえば それがどうしてそうなるのか わかる気がするのです 涙が頬を下る時 満月のような光の中に…

甘くとろけて

時間が経てば忘れていく それがこわいと言ったあなた 手のぬくもりさえも 消えるのがこわいと 言ったあなた わたしもおなじよ 葉から露がこぼれ落ちる わずか数分の間でさえ あなたは あの人の事を考えているのね コーヒー片手に 砂糖をひと粒 それからふた…

ふたり

私言ってないそんなこと でもあなたは だまって知らないふり ほんとは伝わっていくのが恐いけれど 私もだまって知らないふり 知らない二人の知らないふり 振り返って うつむいて また 知らないふり だって 私たち 知らないふたり

でしょうか

見えないものになって あなたの中に入って そこであなたの一部になる たった一度でいいから あなたのことを知ってみたいと 感じるのは わたしがおかしいのでしょうか あなたの影をたどって あなたの好きな花を見つけて あなたの紡ぐ言葉を使って 歌を書くのは…

もっと

赤い実をつけたあの木の下で 待ち合わせをした マフラーを巻いて歩いている姿が 見えて 私は手を振った 君は恥ずかしそうに手を振り返して そっと隣に歩いて来てくれた 私は左手に付けた時計を見る 日が落ちるのが早くなって 互いの顔が前よりも見えなくなる…

わたしが わたしに

わたしが わたしに 風を吹き込ませたとき わたしは 青い風を通り越して 緑の丘に向かって走る どこまでも走る たとえ 雨風が頬に当たろうとも 遠く離れた先にいる わたしが いつかのわたしに 大きく手を振って わたしが大きく頷いたとき いつかのわたしは 後…

あなたは夢を

夢が夢であると知った瞬間 また夢を見たくなる 夢でしか感じられないのだから また夢を見たくなる 一度どこかで聞いたことがある 夢に出てきた人は あなたを思ってる人だとか そんなのうそなのか だけれど おとぎ話のような世界に あなたを連れていけたから …

傷つけてしまわないように 汚してしまわないように ていねいに ゆっくりと 手を引いて でも ときどき その手を離す ゆっくりと離す そして 忘れた時に またやってきて また近付く 気付かないふりをして 本当は距離が近づいている 近いと感じさせないように …

たぶん、きっと、そう

私は朝 目覚める時も 焼きすぎたホットケーキを作って メープルシロップで味をごまかす朝も ギリギリまで寝てたい月曜日の朝も なかなか寝付けない水曜日の夜も アイスティーを頼んだ土曜日の午後も 牛乳を買い忘れた日曜日の夜も 誰かを思うことを忘れてい…

無理して飲んだサイダー

無理して飲んだサイダーの味は 今も口に残ったままだ 君が飲んでみなよと言ったから 僕は一口飲んでみたんだ そのあと僕は 君も飲みなよと言ったんだ そしたら君は 僕は今はもう十分なんだと ささやいたんだ 色がついて水になって泡になって ぼくたちは とめ…

夜に祈る

時々見るあなたの横顔は 遠い昔に会った 誰かに似ていて 見つめていると ある日のことを 思い出してしまうんだ 偶然出会ったあなたの右手は 別れ際にぎゅっと 握ってくれた 誰かの左手の温かさに似ていて ある夜のことを 思い出してしまうんだ 深夜2時 私は…

長い長い旅に出た 歩き始めて まだ5分 歩き始めて間もない 細い細い道を歩く 誰もいない 静けさの中 僕は歩く ただ前を 向いて歩く 暑い暑い太陽の光の下 坂道を登る 暗い暗いトンネルを 入ろうか 長い長い道のりを 越えて超えて きっと朝が来たのなら 僕は…

1983

25年前の今日、 彼女は生まれた 田舎の産院で 大きな産声を上げた 力一杯この日を 待ちわびていたかのように 35年前の今日、 彼女の父と母は出会った スーツがよく似合う父 優しい笑顔がよく似合う母 二人は付き合っていた頃、 母は マーガレットのブローチ…

手紙

手紙を書いた 随分と長いこと 使っていなかった ペンシルを タンスの奥から 取り出し 深夜1時、 あなたに向けて ゆっくりと丁寧に 手紙を書いた あなたは どこにいるのだろう 何を思って 生きているのだろう そんな言葉を書き綴る でも 何度書いても 上手に…

深く 蒼く青く 深く

果てしない旅は 青く 深く 蒼く 深く 海底へと突き進んでいく 時間をかけて突き進んでいく そこは 誰も見たことのない世界で 青さだけが一際目立つ世界だ ただ、 ひとりでいくことはできず 息を吸うのもやっとだ 好奇心の赴くままに 突き進んでみれば 太陽か…

あるひと

あるひとが言うには 人は無意識に 自分にとって 必要だと思う人に 引き寄せられているらしい それは偶然にも 必要とされた タイミングで あるひとが 遠回りして言うには 遠回りだと 思った道に 咲いていた花が 一番 美しかったという 儚かったという

言の葉

全てを言葉に することはできないけれど それでも言葉でしか 伝えられなかった 全ての愛おしさを 感じることはできないけれど それでもその愛おしさを 一身に 受け止められた

それほど長くはない話をしようか

それほど長くはない話をしようか 君が 眠くならないような話を 僕は今、 月の上に立っている でこぼこで 暗い街を 太陽の光を受けて 街中に照らせるんだ 素敵な夜だろう 誰もここからは見たことがないんだ どんなに大きな森や 大きな鳥でも ここへは立ち上る…

ひとを知る

ある人が言っていた 近くにあるものは 遠くなることが多い 遠くにあるものは 近くなることが多いと 届きそうで 届かないものに 触れられそうで 触れられないものに 揺るがされて 転がされていると 見つけた と思ったら また消えて 解けたと 思ったら 結ばれ…

いつか

大空に向かって飛ぶ鳥は いつしか向こう側に渡るために 離れる時間まで 共に時を過ごす 忘れないようにと 忘れたくないようにと いつか巣立つ鳥のように 僕の心にも春が来て 陽だまりのように あなたの心に光が差す さよならを口にしたら 涙が溢れそうで 強…

忘れたしおり

温かくて優しい思い出は しおりに挟まれて 何度も何度も 読み返せた たった一度だけ挟むのを 忘れたしおり 何度も何度も 探した 見つかりそうなのに 見つからない 何度も何度も 泣きわめいた そんなときに 手を差し伸べてくれた あなた 光が差す方へと 消え…

ほんとうは

ほんとうは ほんとうで ほんとうに ほんとうだ それってほんとうなのか 本当だ

聞こえない歌

聞こえない歌は きっと閉ざされた あなたの心に送るエールで 誰かがあなたに送るエールで それを耳にしたらたちまち あなたは力強く歩み出せる でも 聞こえない歌は 聞こえないんだ 今は聞こえないだけなんだ もし たった一度 聞くことができたときは それは…

あなたには羽がある 自由の羽が あなたには羽がある 何処へでも行ける 空間を越えられる羽が でも気づいて欲しい その羽が時には あなたを疲れさせてしまうことを 羽が濡れる日もあるでしょう 羽が重く感じる日もあるでしょう 時には 羽を休めて そっと

あなただけで

あなたのそばで コーヒーを飲んで コーヒーのほろ苦い味を あなたに伝えたら あなたはなんていうでしょう あなたのそばで 夏の暑さに溶けてしまいそうだと あなたに伝えたら あなたはなんていうでしょう 時には甘いミルクを、 時にはアイスで冷たさを感じる…

歩け歩け

自分だけが光っていないような どこかくすんで見える自分の世界の中で 素朴さをかき消すように 今日を生きる そんな今日は 明日の自分へのエールなのか はたまたそうでないとしたら 心を洗ってしまいたい 生まれ変わって 汚れをなくし 明日へと歩きたい

こい

不思議な時間は 片時も離れることなく 脳裏に焼き付いて 取れないという 誰にも話すことができずにいた 少女はそう言う 涙が止まらなかった昨日は 今日の分まで泣いてしまったのだろうかと 少年は少女にそう伝える どこかで重なった二人の思いは 偶然にも愛…