POEM 〜優しい時間〜

ひょんなことから始めちゃいました。詩や文を書くのが好き。気まぐれで書いています。気分は晴れ時々雨、そしてくもり。

2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

遠くで、また

足から胸まですっと 背を伸ばした先で あなたと歩いて 誰かとその先で 出会っても 忘れない夢を 抱いて 幾度の夜も越えて 見えない涙の跡が 少し恋しくて 拭う暇もなく あなたの横顔を眺めて 遠くの街で さよならという あなたの横顔が さみしくて

葉書

地球が二周回ったみたいで 気付いたら隣にいるみたいで 手のひらの温度さえも感じられず どこかの鳥があなたに向かって 羽を広げて ただ嘆くだけ 今度、会ったら 何を話そうか 白いワンピースが揺れた朝に あなたからの 一通の葉書が来るまで 今日も暑い一日…

届かぬ手紙

届かないのに 届けられないのに 届けたくなるのは わたしだけですか もしも、 この手紙の一文字や二文字が浮かんで あなたの手のひらや頬に ひらりと張り付いたら 届いたことになりますか それでも構いません 動く言葉だけが加速させて いつしか届いていたこ…

眠る涙

小川の水が恋しくなって 気付いたら手ですくって口まで運び そのままごくんと一口で飲む 泡の中に溶け込まれて 雫となって肩の上に触れる 甘さが染みて 遠くまで吹き渡る風が ほんの少し心細くて 花の色が鮮やかになるまで ここで祈ります

なんだか美味しそうな

月の音が聞こえて 側には流れた涙が煌めいて 不思議だねと僕は言う いつだってそうさ 先に君は走って 手に取るものも美しいんだ でも僕の夢は君には教えられないほど 蒼くて脆くてはかないんだ 幸せだろう? 僕は空の音が聞こえるからさ こうして話している…

別の夜のこと

ある朝目覚めたら 君が居たら 細くて白い手を出して 歩き回ってまた眠るのさ 別にその日じゃなくても 僕たちは遠い国に渡るために ボートと一つのスパイスを 用意して 支度が出来た頃に また歌うのさ 別の夜のこと ふかふかの布団の上で

メートル

遠くにいるらしい 上にいるらしい 届かないし 触れられないから 伝わらないんだよ そのくらいでいいんだけれど 誰がいつつくったのかな ここら辺には お揃いのものがいくつもあるから 怖くないでしょう 退屈そうに見えて そんなことないのかもよ 夜の街にお…

鼠色の雲

誰もいない夜に ひとり歩いてる それでもいいんじゃない 誰か1人でも会えるかもしれないから 転げ落ちるよりは素敵じゃないかな 君がいて 内側からオレンジの香りが漂うんだよね きっとそうだよね 今何が見えた? スポットライトの下で踊るあなたが はにかん…

あの日の角で

どう? 明日も振り向ける? 誰がオブラートを取るんだろうね ほら、スカートが揺れたよ 誰と走る? スタートは確かに恐いよ 震えるまでここで待つ? スニーカーを変える? 涙の雨が降るまでは 確かに恐いよ もう近くまできているけれど 気温が下がるまで待つ…

とけないで

とけないで 笑うまでは とけないで 話し合うと とけるから 青い街を歩いて 舞台を降りたら 月が霞むから とけないで 笑うまでは あなたの頬を 包んでいて

生命のスープを煮込んで

生命のスープを煮込んで さあ、はやく 誰も来ないから 誰も見ないから こわくないから 目を閉じて、奥で散歩してるから このまま すぅっと 溶け込んだままでいるから 足音も立てず、揺らさないでいるから 押さえた思いが溢れるまで ほら、はやく 生命のスー…

水溜り

ぽちゃん、 どこに行くの、 どこにいたの、 この音が聞こえたら、 返事ができるかな、 ぽちゃん、 水が跳ねる音に あなたの声がする 微かに聞こえたのに もう忘れてしまった夏のよう 雨宿りして待っているから 今日も傘を忘れた小鳥が鳴いている ぽちゃん、 …

知らぬ旅

誰のために 歌えばいいのか 誰のために 踊ればいいのか 悩む鳥は ただ一つの青い空を 眺めるたびに 嘆き続けている 一つの願いが押し寄せたら 消えて 増えたら減って 音の流れが 美しくなるのを 待っているかのようだ 知らぬ間に 雲になってしまう鳥は そん…

すくっても

ここでじっとしているうちに 溜めといた水に魚を入れて それからこの魚が泳げるうちに あの人に渡しに行けたら 川を下り雨が降り 日差しの中であなたが待っていて そこでこの魚をあげるのです 喜んでくれますか 私には魚に見えますが あなたには 魚に見えな…

青い葉

太い幹に連なって 光の奥にいけたら 飛べるんだっていってたけれど 本当かな あの頃の写真には そう写っているから そう信じたいから そうすることにする 青い葉についていったら 重くならずに 帰ってこれる気がするからさ

体に吸い込まれて

体に吸い込まれてしまいそう 自分の体に 内側からゆったりと 横や縦に滑るように 渦を巻きながら 吸い込まれてしまいそう このまま見えない泡の中に 入ったら 眠ってしまうのか 胸の奥から入って 帰る先も胸 奥に吸い込まれたら もう誰も見えなくなるかな