POEM 〜優しい時間〜

ひょんなことから始めちゃいました。詩や文を書くのが好き。気まぐれで書いています。気分は晴れ時々雨、そしてくもり。

2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

ボート

気付いたら遠くにいて 触れる 届きそうと 言っていたあなたが 懐かしく思います あの日から 走り続けた日の夕焼けが いつしかのあなたを追い越して 眠れない夜 漕いだボートを隣におき 艶やかな花を浮かべた 涙のスープを飲み干し 今はもうたどり着いた孤島…

一度も離れなかったよ

一緒になって 一度も離れなかったよ すぐそばにいて 忘れようとしても そばにいようとしたこと 聞いてもらったこと その温もりから 芽を出した日から 歩き出せると 昔のあなたは言うから その道をくぐり抜けて 放つ光の中にいる 置いていかないよ 一緒にいこ…

スパイス

何度も味わって食べたあのご飯に 秘密のスパイス 加えたら美味しくなりそうと あなたは言うけれど あなたの横で 今日もごちそうさまと言えること これが あなたと私のスパイスなのだから

最後まで愛してみようよ

最後まで ぷつんと紐が切れるときまで 繋がったままのあなたが ここにいたことを 一人深い谷で 中に包まれていた夜のことを 最後まで覚えているのは私だから 暗い夢を見た朝も 最後まで あなたがはじめて息を吸う その日まで 愛してみようよ

それから、一歩

繋がっていると そう思えたら 羽を強く持ち上げて 一歩 それから、二歩 息を吸って ほら すぐそこにある これを 自分のものにしたのならば 遠くに消えた光が 誰かのそばにいる 細い細い道を一人旅 その途中で 横にある花を手に取り この花を渡す先へ向かう …

手に届く

坂を自転車で 駆け上る 少年たちの眩しさのおかげで 私はあの空に 手が届きそう 夢に見た空 青さだけが光ではないと 過去にそう伝える ふと呟くと 気付いたらこんなところにいた ああ もう届いているんだ 目を開けると じりじりと太陽は声を上げる 私は夏を…

溶ける時間

殻が張り付いて飛ぶには早い朝 羽が生えた夢を追って 周りに溢れたこの水と小さな手を握りしめて すべてを入れて溶かす 18と23の数を数えて 君の名前をいれて 全部溶かす その間君はどこで待っているんだい