POEM 〜優しい時間〜

ひょんなことから始めちゃいました。詩や文を書くのが好き。気まぐれで書いています。気分は晴れ時々雨、そしてくもり。

2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

7の音

この毛布にくるまって 走れぬ橋を走る 探して求めてる時計の針は いつになっても見つからず ただ水の音が鳴り響くだけ 遡っていく日のことを ただ思い出す ふらりと降った雨が恋しい あの人の町にも届いているのだろうか

胸が光る夜に

もうどうしようもならないくらいの ほんの一つの歌が欲しいのです 憧れていたものが湧いてきて 光の粒が落とされた日の夢が 欲しいのです 手に取れば懐かしく 鮮やかな音が欲しいのです もうどうしようもならないくらいの 時間がやってくるのを待っています …

そういうこと

雨の花が咲いている日に ひっそりとピアノを奏でます きっと時間が誘いに来て 私は遠くへ行ってしまうけれど 忘れたあの人のことを思い出して 行ってきます 塩の香りが風を運び 波に揉まれた夜を思い出すでしょう そうでしょうきっと さよなら、私のピアノ …

僕らまあるいボールの上

遠くに連れて行ってくれたあの人 時々まあるいボールの上で思い出す 転がったボールが寂しくて それでも僕は眺めてる 知らない君の横顔を眺める時間が好きなんだ 僕は転がったボールを追いかけた なんてったって 君のボールだからね 青くて黄色いボール 素敵…

引っ張る

ゆりかごの中で 驟雨は今日も降り 何度も歩いた道を走って 泣いた日の空を仰ぐ 振り返った途端に 空気が濁り 紫色の花を摘んだ 少女の手を握りしめて 丘を下る 手が真っ赤になるくらい 握りしめたから 僕の胸の鼓動は早くなる 白い服で包まれた あの淡い時間…

今日という日にさよならを

僕は歩いた 鉄板の上を 僕はしゃがんだ 道端の花の側で 僕はうつむいた 海岸近くの珈琲屋の前で 僕と並んだ 隣の人が深く涙を落とした 僕の涙に触れて、それを落とした 消えない花を持って 手で掴んで 波が僕たちの背中をさすった 不思議だ 今日という日に …

さよならの挨拶

言えないから抱きしめればいい 抱きしめられないから言えばいいと あなたは言うけれど 私のぬくもりを誰よりも知っているのは 紛れもなくあなたで さよならの挨拶が遠くなった今、 あなたからの聞けない言葉だけが 私を抱きしめるのです どうか、この夢の果…

あの風を憶えているか

懐かしくも 恋しくも もうあの風は吹かないと あの春を迎えた朝に 背伸びをした小鳥がそう嘆いて 冬の足跡が寒々しかったと 夏の葉は歌う 水面を泳ぐ羽はもう飛び上がることを知らず ただ空を見上げているばかり 花が上へ上へと歩く時 風がそよいで ふわりと…