どんなに
どんなに
遠くても
走り続けたあなたを
私は知っているから
はる
戻れそうで戻れない日
その日を胸に抱いて
歩き続ける
緑が追い越すその日まで
ピンクの花が舞うその日まで
ぼくらは
顔を上げて
息を吸う
今、空に
風の君
僕は走っていた
丘の向こうで
陽の当たる方で
風がよく吹く日だった
前は向けず
後ろは振り向かず
走り続けることをやめなかった
嵐の中を走る僕を
君はみていた
君がみていたから
僕は走っていた
つなぐ
つなぐために続ける
いつかの音になる
あなたの声になる
誰かの愛になる
細くても
かよわくても
そのちいさな手をつないでいたい
あなたと未来の夢を
つなぐために
好きだったね
今さら言うのはおかしいかな
急に言われてもね
触れると壊れてしまいそうだから
終わらせないように
全部
そのままにしておいたから
あの日のこと
時間も空気も閉じ込めて
胸の奥に隠れてしまったよ
言葉にしたら困るかな
笑うあなたの目が
やさしくて
今日まで
言えなかったこと
全部
包んでいたい
いつでもここに
いつでもここにいて
どこでも会えるなんて
誰も言ってくれないけれど
ただほんの
ぽつりと涙が溢れるくらいの
気持ちだけは
奥にしまっておいた方がいい
また会いたくなったときに
あたためるから
その温度があなたとその夢を
包むから
あのさ、
あのさ、
全て分かり合えなくていい
あのさ、
早くカバンに荷物を詰め込んでしまう前に
君とゆっくり歩きたい
あのさ、
昨日見た夢を教えて
あのさ、
君と手を繋いだ日のことを忘れない
あのさ、
もう戻れない夜についてもう一度話そう
その日がさ、
僕らの記念日になるから
もう少し
ここで待っていようよ