水の中でぼくは服を脱ぐ
水の中で
ぼくは服を脱ぐ
汚れた服を着ていたわけでも
この服がぼくを汚したわけでもない
淡い色の服は
泡と共に
下に沈んで
なめらかな揺るぎない坂を下る
そこを深く辿ると
重い匂いがして
なんだか僕は眠くなる
そのあと僕は
まあるくなって
服と共に
ぐるぐると
洗い流され
鐘の音が聞こえるまで
静かに眠る
まるで僕は赤子のようだ
あたたかい夢を見ているのか
目をつぶって
音を聞いて
それから
何度もぐるぐると
回る
あたたかい水が
僕を眠らせる