2020-02-04 誰かに会えるなら poem 誰かに会えるあの森で 私はひとり、 鍋に細かく刻んだ野菜を 煮込んでスープを作っています でも、周りには誰もいません それでもなめらかな 甘いスープを日が暮れるまで 煮込んでいます 時々、森が暗闇の中に包まれて カラスは鳴き、雨がざぁざぁと降り始め 苦しいほどにそれらは 頬を痛めつけます 涙の川で辿った湖も ちっぽけな一輪の花も 誰かに会えることを待っていて この森から離れようとしません きっと、誰かに会えるこの森で 私は今日もスープを作っています 淡い眠りの中に包まれて 私は今日も雨の滴の音を聞きながら スープを作っています いつか、誰かに会えるまで