POEM 〜優しい時間〜

ひょんなことから始めちゃいました。詩や文を書くのが好き。気まぐれで書いています。気分は晴れ時々雨、そしてくもり。

朝の光が見えぬ前に

朝の光が見えぬ前に

リュックに 

三年分の荷物を詰めておいた

この前撮った写真

あの子の涙で滲んだハンカチ

それから

遠くまで運んでくれる風の便り

リュックの下から上まで

ひとつひとつ

三年分の時間を詰め込んだ

本当のことを言えば

リュックに詰めるか迷った

詰め込んでしまうと

下の方は取り出せないことを

分かっていたからだ

でも君は言ったんだ

取り出せないほど詰め込まれたリュックは

あなたの震えた手を引いて

いつか、いつか

遠くに連れて行ってくれると

だから僕は毎日、

毎日のように

繰り返される朝の光が見えぬ夜に

詰めた

時々手伝ってくれる

君のぬくもりに触れながら

詰め込んだんだ

朝の光見えぬ前に

僕は旅立つのだから